『経済学の教科書』が発売になりました

今日は新発売のテキストのお話です.

 

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経済学の基礎理論はミクロ経済学とマクロ経済学です.重要な科目ですが,基本的な事項をマスターしている学生が非常に少ない科目です.経済を専門とするジャーナリストや専門家でも,この2科目をきちんと押さえている人は少ないように見受けられます.基礎科目であり,一度は学ぶのですが,頭に残らないという状況です.ミクロ経済学やマクロ経済学は,経済の現状分析だけでなく,どのような制度設計をすればいいのか,という点でも役に立つだけに残念です.

 

その理由の一つに,覚えることが非常に多いということがあります.大学の先生方は真面目ですので,きちんと順を追って,全てを教えたいと考えます.各理論を証明しながらケーススタディも付ければ,テキストは1科目につき500ページを超えるでしょう.教科書の終わりの方を読むころには初めの方をすっかり忘れてしまっています.

 

そこで,本書ではできるだけトピックを削って,ページ数も少なくなるように工夫してあります.ミクロ経済学,マクロ経済学に加えて国際経済学の一部を収録し,58問の練習問題と主要な公式集まで付いて,230ページに収まっています.1科目当たり約100ページですので,これならマスターできるのではないでしょうか.

 

◆本書の内容

本書は第0講から第18講までの19講編成です.第0講では,経済学は何を学ぶ分野なのか,本書で使う計算方法などを取り上げています.本書は公務員試験を目指す人にも読んでほしいと思いますが,文系の人のために,一次関数のグラフなども復習しています.

 

第1講から第8講までがミクロ経済学です.通常は消費者行動の理論から始まりますが,本書では完全競争市場の特徴を見るところから始まっています.消費者行動,生産者行動を見た後にもう一度完全競争市場に戻ります.その後は不完全競争市場などに進みます.

 

第9講から第15講までがマクロ経済学です.財市場,通貨市場,労働市場を見ていき,経済成長論までです.第16講は開放経済です.国際収支統計,為替レート,マンデルフレミングモデルを扱います.第17講は経済政策についてのまとめです.政府の役割や政策の効果,古典派とケインズ派の違いを扱います.第18講は本書のオリジナル部分で,基礎的なミクロ経済学とマクロ経済学の問題点を指摘しています.

 

本書の最後には,公式集とグラフ集があります.試験直前の見直しに役立つでしょう.

 

◆勉強はじめの1冊目におススメ

ミクロ経済学とマクロ経済学を学ぶにはどうしても式とグラフが必要になります.本書では演習問題の解説では計算途中の式も詳しく載せており,計算が苦手な人もついて行けるようにしています.理解を助けるためのシルエットイラスト,間違いやすい点をまとめたCheck Pointも数多く配置しています.

 

本書はできるだけページが少なくなるように作られているため,解説していないトピックもたくさんあります.それならすべて載っている本を買った方がいいのではないかと思うかもしれませんが,まずは全体を把握する方が効果的です.経済学とはどのようなものか知りたい人には本書だけでも十分ですし,公務員試験や経済学検定試験などに挑戦する人の1冊目にもおススメです.高得点を目指す人は,このテキストをマスターした後に問題集やよりレベルの高いテキストに進んでください.

 

 

本日はここまで.