ポルトガル(5) − リスボン − その他の地域

今日はこれまで紹介できなかったリスボンの顔をお伝えします.


まずは,ポンバル侯爵広場(Praça Marqués de Pombal)です.リスボン市内の大通(Avenida da Liberdade)を北に進んでいくとポンバル侯爵の大きな記念碑が見えてきます.像の周りは大きなロータリーになっており,いくつかのバスも止まります.近くにはホテルもたくさんあり,地下鉄の駅もあるため,観光の拠点にもなります.


ポンバル像の後ろには,エドゥアルド7世公園(Parque Eduardo VII)があります.少しきつめの勾配の坂道に沿って大きな公園があり,温室などの見どころがあります.坂を登って行くのは大変ですが,上り切るとこのような美しい風景が私たちを迎えてくれます.16,56,726番のバスでもここに来ることができます.


アグアス・リブレス水道橋(Aqueduto das Águas Livres).ローマ時代の水道橋を思わせますが,建設されたのは1748年のことだそうです.エドゥアルド7世公園からカンポリデ駅(Campolide)方面に歩いて行くと橋が見えてきます.1748年につくられた橋は,当時は上を歩いて渡ることができたそうですが,アルベスという名前の連続殺人犯が橋の上から犠牲者を投げた事件により現在では封鎖されていて歩いて渡ることができないそうです.橋の近くには水博物館もあるそうです.


ここからさらに北のほうに歩いて行くと,動物園(Jardim Zoológico)が見えてきます.地下鉄だと青線(Linha Azul)の動物園駅(Jardim Zoológico),CPではSete-Rios駅です.地下鉄の方が近いです.料金は16.50ユーロですが,リスボンカードで14ユーロになります.この入口をくぐって右の方はミニ遊園地でこちらは入場料はかかりません.動物園へは左の方に歩いて行きます.

チケット売り場を通り過ぎると,まずオウムたちが出迎えてくれます.この動物園には写真を撮る人が何人かいて,出口で写真を売っています.特に買う必要はないので,不要の場合は写真を断ってもOKです.大きめの動物園で,ショーもいくつかあります.中でも,イルカとアザラシのショーとフリー・フライング・バード(Aves em voo libre)はお勧めです.私が見たイルカとアザラシのショーは,途中でアザラシが観客席に上がってきて,お客さんたちにキスをしてくれます.しっかりカメラマンも付いてきて出口で写真を売っています.写真は1枚5ユーロで手が出やすい値段になっています.イルカのショーも組み立て方が独特でかなり面白いです.

また,フリー・フライング・バードという名前のショーは,鷹やミミズク,オウムなどの鳥たちを目の前で飛ばしながら説明してくれます.一番前の席に座るとかなり迫力のあるショーになります.ヨーロッパではいろいろな動物園に行きましたが,リスボン動物園が一番でした.


次は,場所を変えて,国立タイル博物館(Museu do Azulejo)です.入場料は4ユーロですが,リスボンカードで無料になります.リスボン中心部からは東に行ったところにあります.歩いて行くのはちょっと難しいので,759番か794番のバスでRua da Madre de Deusまで行きます.ポルトガルでは中世よりタイルが作られていたそうですが,16世紀になるとタイル作りは盛んになり,独自の製法も確立されていったそうです.


中には様々なモチーフのタイルがあり楽しめます.カラフルなだけでなく,立体的なものもあります.きらびやかな礼拝堂を見るだけでも来る価値があります.一番上の階には,長さが35メートルにもなる横長のタイル絵があります.1755年の大地震の前のリスボンを描いているとのことで,タイルの美しさだけでなく,歴史的な価値もあります.


観光客はあまり来ないのかもしれませんが,オリエンテ地区にも足を延ばしてほしいです.地下鉄またはCPのOriente駅で降りると,1998年万博の施設を利用した地域が広がります.旧市街とは全く異なる近代的な地域で,リスボンのもう一つの顔です.この写真はバスコ・ダ・ガマ商業センターで,ショッピングモールになっています.


このショッピングモールにはレストランコーナーがあり,フードコートも併設されています.ここで夕食を取ることにしました.私が選んだ店はこの写真の店で,伝統料理という看板に魅かれました.料金もそんなに高くなく,地元の人たちが利用する店です.リスボンのレストランでは,前菜がテーブルのいくつか運ばれます.もちろん有料なので,不要の場合は断るか手を付けないようにします.ちなみに,リスボンでは,レストランで水を頼む人が非常に多かったのが印象的でした.特に冷えているわけでもなく,水のペットボトルとコップが来ます.ジュースやアルコールを頼む人の割合が他の国よりも少なかったですね.


ショッピングモールからは右手の方に歩いて行ったところにあるのがこのオセナリオ(Ocenário)です.水族館ですが,大阪の海遊館のように上から下に降りていく構造になっていて,いくつかの水槽を下からも見ることができます.目玉はラッコでしょうか.ここのラッコは眠くなると海藻を体に巻き付けて寝ます.ラッコの水槽も下から見ることが出来るので面白いですね.オセナリオは単なる水族館ではなく,水産資源や水棲動物の保護を考えさせるような展示を心がけています.万博のテーマを受け継いでいるようです.イルカのショーのような派手なアトラクションはありませんが,ぜひのぞいてみてほしいですね.入場料は12ユーロですが,リスボンカードで10ユーロになります.その他にも,次に紹介するケーブルカーのチケットなどが含まれたコンビチケットもあります.


オセナリオのすぐそばからケーブルカーが出ています.オセナリオと写真の左手に見えるバスコ・ダ・ガマ塔(Torre Vasco da Gama)の間を結んでいます.片道3.90ユーロ,往復で6ユーロ.私が行ったときには塔は工事中で入れませんでした.写真の右側に見えるのはバスコ・ダ・ガマ橋(Ponte Vasco da Gama)で全長は13キロメートルもあるそうです.私のお勧めは,オセナリオから片道だけケーブルカーに乗り,帰りは海沿いを歩いて帰るコースです.ここにもカフェやレストランがたくさんあります.

ヨーロッパにはたくさんの観光地がある中で,リスボンというのは日本人にはあまりピンと来ないと思いますが,行ってみると非常にいい町でした.スペイン旅行のついでに寄る人が多いようですが,1週間滞在しても回りきれないくらいいろいろあります.また,明日紹介する近隣地域にも簡単にアクセスできます.お勧めの観光地だと思いました.

本日はここまで.