ポルトガル(4) − リスボン − ベレン地区

今日はリスボンの西部にあるベレン地区(Belém)をみていきます.


リスボンの中心部からベレン地区まではトラムの15Eや28番,CPを使います.写真はCPの線路です.CPを使う場合,Cais do Sodré駅(地下鉄ともつながっています)からCascais方面に乗りますが,Cascais行きはほとんどが急行でベレンは通過してしまいます.各駅の電車に乗る必要があります.


CPのベレン駅から近い所に国立馬車博物館(Museo Nacional de las Carruajes)があります.入場料は4ユーロですがリスボンカードで無料になります.古いものは16世紀の馬車から1824年製のサスペンション付きの馬車まで豪華な馬車が展示されています.写真はOKですが,フラッシュは禁止です.結構厳しく怒られます.


ベレン地区の最大の見どころはジェロニモス修道院(Monasterio de los Jerónimos)ですが,馬車博物館から修道院に向けて歩いて行くと途中にこのカフェ(Pastéis de Belém)があります.ここはベレン地区でも有名な店で,朝から夜までいつでもお客さんがたくさんいます.余りにもお客さんが来るので,夕方になると従業員はヘロヘロになっています.見た目は狭いですが,中はかなり広く,部屋がいくつもありますので,ぜひ一休みして行ってほしいですね.店内の飲み物もかなり安いです.


このお店が有名な理由は,このお菓子「Pastéis de Belém」です.お店の名前と同じです.このお菓子自体は,Pastéis de Nataという名前でリスボン市内ではあちこちで売られています.私もいくつかの店で食べましたが,Pastéis de Belémが一番でした.普通は有名店はあまりおいしくないですが,ここは良かったです.1個90セント.空港では1個2.50ユーロで売られているので安いですね.私はリスボンにいる間,20個くらい食べました.日本ではエッグタルトというそうです.ナタの方がいい名前だと思いますが.


ジェロニモス修道院.1502年に建設が始まり,1572年に建設が終わったという壮大な修道院です.リスボンでは1755年に大地震があったそうですが,修道院は地震にも耐え,当時の姿を現在に残しています.現在のEU条約であるリスボン条約の調印にも使われました.教会の中だけなら入場料はかかりませんが,回廊や展示品を見るためには入場料6ユーロが必要です(リスボンカードで無料になります.2010年当時の情報).


写真では少しわかりにくいですが,柱の装飾がロープがぐるぐる巻かれたような形になっています.ポルトガルの建物の多くはマヌエル様式という建築様式だそうですが,ロープ模様の柱がよく見られます.写真は2階建ての回廊でここだけでも見る価値はあります.


修道院から海のほうに歩いて行くと,発見記念碑(Monumento a los Descubrimietos)があります.発見記念碑は,1960年に航海王エンリケの死後500年記念のモニュメントとして作られたそうです.川に一番近い所にいるのがエンリケで,その他にもバスコ・ダ・ガマをはじめとするポルトガルの英雄たちの像が並んでいます.


記念碑は高さ52メートルで,エレベーターで上までのぼることができます.料金は6ユーロですが,リスボンカードで1.75ユーロになります.リスボンカードがないと,1回6ユーロは高いと思いますが,上からの眺めはいいですね.記念碑の真下には世界地図があり,ポルトガル人が発見した地域と年号が描かれています.日本は1541年だそうです.

道路を挟んだ反対側には,左手に文化センター,真中から右端にかけて修道院が見えます.修道院がいかに大きいかが分かりますね.


記念碑から15分ほど西に歩くと,ベレンの塔(Torre de Belém)が見えてきます.もともとはジェロニモス修道院の防衛のための塔だそうです.入場料は4ユーロですが,リスボンカードで無料になります.今では川の中に立っているのですが,1755年の大地震の前は川は200メートルほど離れたところを流れていたそうです.


塔の上からの眺め.リスボンの中心部は写真の左側になります.記念碑のずっと向こうには4月25日橋(Ponte 25 de Abril)が見えます.4月25日橋は昔はサラザール橋と呼ばれていたそうです.ポルトガルとスペインがEU(欧州連合)に加盟したのは1986年です.それまでは両国とも軍事政権下にあり,民主主義を回復したのは1970年代になります.1974年4月25日の革命でサラザール政権を倒したことを記念して橋の名前が変わりました.

リスボンにはまだまだ見所がありますので,明日紹介します.本日はここまで.