アンデルセン童話で巡るデンマーク(5) コペンハーゲン

 

今日はデンマークの旅の最終回.コペンハーゲンを巡ります.

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写真はコペンハーゲン市内にある人魚姫.コペンハーゲンの北東部,カステレット(Kastellet)にあります.市内の見どころからは少し離れています.水上バスが比較的近くに止まりますが,それでも海沿いを400mくらい歩きます.「人魚姫(第1巻)」はコペンハーゲンを舞台にした話ではありませんが,この人魚姫の像は非常に有名です.水上バスから人魚姫にまっすぐに行くと気づきませんが,カステレットにはゲフィオンの噴水もあります.スウェーデン国王ギュルフェに一昼夜で耕せるだけの土地を与えるといわれた女神ゲフィオンは4人の息子を牛に変えて耕したのがシェラン島だという伝説があります.

コペンハーゲンにはアンデルセンは長く住んでいたためか,町の名前が多くの話に出てきます.「幸福の長靴(第1 巻)」,「おとなりさん(第3巻)」,「イブと小さいクリスティーネ(第3巻)」,「ひとり者じいさんのナイトキャップ(第4巻)」,「真珠の飾りひも (第5巻)」,「名付け親の絵本(第6巻)」,「庭師と主人(第7巻)」などに出てきます.通りの名前やクリスチャンハウンなど,より具体的な地名も出てきます.その他にも,「古い街灯(第2巻)」や「門のかぎ(第7巻)」などコペンハーゲンを舞台にしたと思われる話もあります.

コペンハーゲンの観光にはコペンハーゲンカードが便利です.コペンハーゲンは歩いて回るには広すぎ,バス,水上バス,地下鉄などの利用が便利です.主な観光地はコペンハーゲン駅の東側にあります.駅の西側はあまり綺麗なところではなく,ティコ・ブラーエ・プラネタリウムや動物園くらいしか見どころがありません.

 

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クリスチャンハウンの救世主教会(Our Savivor's Curch).インフォメーションでもらえるパンフレットは地名が英語表記なので,ここでも英語表記にします.上の方が渦巻きになっていますが,ここを上ります.上に行けば行くほど狭くなり,最後の一段は片足がやっと乗るくらいです.

コペンハーゲンには,アマリエンボー(Amalienborg),ローゼンボー(Rosenborg),クリスチャンボー(Crhistiansbourg)の3つの宮殿・城があります.全てコペンハーゲンカードが使えます.

 

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アマリエンボー宮殿.ここでは,正午に近衛兵の交代式が見られます.近衛兵はローゼンボー城から音楽を演奏しながら行進してきますが,女王夫妻が不在の時には音楽はないそうです.ちなみに,近衛兵の交代式の時は観光客が交代場所に集中します.広場や宮殿の写真を撮るチャンスです.アマリエンボー宮殿は中を見ることができますが,他の2つの城に比べて早く終わります.

広場の中央にフレデリック5世の像があり,周囲に4つの建物があります.1794年にクリスチャンボー城が炎上したため,貴族が住んでいた4つの建物を接収したそうです.

 

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広場からはフレデリクス教会も見えます.フレデリック5世が建て始めた教会ですが,大理石の入手問題などで100年以上かかって1894年に完成します.ドームは直径30mあるそうです.アマリエンボー宮殿やフレデリクス教会は,運河ツアーからも見えます.

 

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ローゼンボー城.観光客が集まる中心部からは500mくらい離れています.大きな公園の中にあります.バスは6Aなどが止まります.この城はアマリエンボー宮殿よりもかなり中が広く,すべてゆっくり見ると半日,ざっと見るだけでも1時間以上かかります.壮麗な部屋を多く見ることができますが,2階の大広間にある1670年に作られたライオン像は必見です.地下には宝物庫があり,象牙の玉座や琥珀細工,ワインセラーなどがあります.

 

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地下の宝物庫の後半は宝石だらけです.中はかなり広いので,チケット売り場でもらえるパンフレットは必須です.地図と簡単な解説を見ながら進みましょう.

 

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クリスチャンボー城.クリスチャン6世にちなんで名づけられたそうです.アンデルセン童話ではここは島だとされていますが,実際に堀に囲まれて島のようになっています.運河ツアーの乗り場が近くにあり,徒歩圏内にホルメン教会や国立博物館などもあり観光の拠点になります.

クリスチャンボー城には,ロイヤルレセプションルーム,ロイヤルキッチン,チャペル,厩舎,劇場,地下遺跡,展望塔がありますが,入り口が全て別々で分かりづらいです.そのため,ロイヤルレセプションルームの売店でガイドブックを買うのがおススメです.日本語もあります.展望塔はレストランの脇からエレベーターで昇ります.

 

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ロイヤルキッチンの様子.鍋に触るのは本当はダメなのかもしれませんが,鍋の中には魚やエビの置物が隠れていることがあります.部屋の奥には料理の様子のビデオ上演があります.現在は,国賓の料理の調理は他の場所で行いますが,最後の仕上げや盛り付けはここで行うそうです.

 

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クリスチャンボー城のすぐ隣にある,トールヴァルセン美術館(Thorvaldsens Museum).アンデルセン童話にも彫刻家のトールヴァルセンの名前は良く出てきます.

 

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円塔(The round tower),ロントールンとも呼ばれます.ローゼンボー城とクリスチャンボー城の中間くらいにあります.ショッピング街にあるため,かなり混んでいます.1642年にクリスチャン4世が建てた円塔は天文観測所として使われていたそうです.円塔は途中までは階段ではなく坂道で登っていきます.1716年にロシアのピョートル大帝とエカチェリーナ1世(有名なエカチェリーナ2世とは別人)がここを馬車で登ったそうです.円塔はトリニタチス教会に隣接していますので,こちらも忘れずに.

 

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デンマーク国立水族館(National Aquarium Denmark).デンマーク語表記のDen Blå Planetでも知られています.コペンハーゲン空港から5Aのバスで2駅目,または地下鉄M2で1つ目の駅が最寄りです.コペンハーゲン中央駅と空港を結ぶ水族館のシャトルバスもあります.

あまり広くありませんが,ラッコがいます.ここでは貝をエサにしていて,貝を割るラッコの姿を見ることができます・・・が,割り方はかなり独特です.せっかくなので,見てのお楽しみにということにしておきます.また,運が良ければ着ぐるみのラッコ君も会えます.子供は泣いていましたが・・・また,パフィンも見ることができます.パフィンはアイスランドやアイルランドなどでも見ることができますが,ここではゆっくり見ることができます.

 

コペンハーゲンには見どころが多いので,最低でも3泊はしたいところです.ただ,物価が高いので,長期滞在は経済的に厳しいことも確かです.クリスチャンハウンにはアンデルセンが住んでいた家もあります.探してみてください.

 

本日はここまで.