アンデルセン童話で巡るデンマーク(4) シェラン島

 

今日はシェラン島のロスキレ,ヘルシンユアなどを巡ります.

「デンマーク人ホルガー(第2巻)」にはヘルシンユア,「柳の木の下で(第3巻)」にはキェーエ,「真珠の飾りひも(第5巻)」にはロスキレやソーリェ,「ツック坊や(第3巻)」にはシェラン島各地の地名が出てきます.「ヴェーン島とグレーン島(第6巻)」にはホルスタインボー城の南にあるグレーン島が出てきます.アンデルセンの解説ではこの地域を干拓してシェラン島をつなげる計画があったそうですが,現在ではグレーン島とは橋で結ばれています.

 

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写真はフュン島からシェラン島へと大ベルト海峡橋を渡るところです.シェラン島はフュン島よりも大きい島です.コペンハーゲンとオーデンセは155km離れており,車では1時間半ほどかかります.「真珠の飾りひも(第5巻)」では,1815年に船や馬車を使って5日かけて移動していますが,1855年には蒸気機関車が使えてシェラン島は3時間で抜けられるようになっています.1815年でも天候が良く寄り道がなければ3日くらいで着けたかもしれません.

 

シェラン島の観光には,コペンハーゲンカードがおススメです.シェラン島の東北部の交通機関や博物館等で使えます.ヘルシンユアやロスキレなどの観光でも活躍します.2016年の価格では5日券で113ユーロと高いですが,博物館や城は入場料が高いので,あちこち観光する人は簡単に元が取れるでしょう.コペンハーゲン空港でも買えます.買ってすぐに使うこともできますし,とりあえず買うだけ買って後から使うこともできます.なお,コペンハーゲンカードではスウェーデンのマルメ方面には行けませんので注意してください.

 

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ヘルシンユア(Helsingør)のクロンボー城.ヘルシンユアは,ヘルシンゲル,ヘルシンガー,ヘルシンオア,エルシノアなど呼び方は様々です.コペンハーゲンからは電車で40分くらいです.この城は「デンマーク人ホルガ―(第2巻)」やシェイクスピアのハムレットの舞台として有名です.城が見えてから中に入るまでに結構歩きます.なお,入場チケットは門ではなく,門に行く途中の堀の所にある売店で購入します.

 

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ホルガーは地下に眠っています.デンマークに危機が訪れると助けてくれるそうです.地下はかなり暗く,場所によっては真っ暗です.スマートフォンのLEDライトを使うといいですが,あまり使うと雰囲気が損なわれます.クロンボー城は見どころ満載です.中庭から城に入りますが,入り口がいくつもあり,階段だらけです.

 

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城の見晴台(Cannon tower)から中庭の眺め.ここまで来るのに階段が145段あります.写真の奥の方に海が見えていますが,さらにその先はスウェーデンのヘルシンボリ(Helsingborg)です.ヘルシンユアからヘルシンボリまではフェリーで20分ほどです.コペンハーゲンカードの割引があり,気軽にスウェーデンに旅行できます.ただし,シェンゲン協定の一時停止措置によりパスポートの携帯が必要です.

 

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ヘルシンユアの町中ではデンマーククローネ(DKK)だけでなく,スウェーデンクローナ(SEK)も使える場所があります.同様に,ヘルシンボリでもDKKが使える場所があります.ヘルシンユアは買い物にもいい町で,コペンハーゲンより物価がやや安い印象があります.

 

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フレデリクスボー城(Frederiksborg slot).ヒレルド(Hillerød)の町の近くにあります.コペンハーゲンからは40kmくらいです.ちょっと交通の便が悪いので,ツアーを利用してもいいかもしれません.車で来ると,駐車場は3カ所あるのですが,どこに止めてもお城まではかなり歩きます.というのも,フレデリクスボー城の敷地が広大だからです.

この城は1859年に火災に遭っています.12月だったことから堀が凍って消火活動ができず,大部分が燃えたそうです.それから再建が始まり,1885年に建物が,1996年に庭が再建されています.

 

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中はかなり広いです.部屋には番号がついていますが,あまり気にせずにぐるっと1周回る感じです.途中で教会も通り,上がったり下がったり.もらった地図を見ながら行きましょう.売店の奥にも展示がありますので忘れずに.

 

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こちらはフレーデンスボー城(Fredensborg slot).フレデリクスボー城と名前が紛らわしいですが,2つの城は10kmくらいしか離れていないので,余計に間違いやすいです.美しい城ですが,デンマーク王室が使っているため,7月-8月の間しか公開されていません.

 

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こちらは,ロスキレ(Roskilde)の町中です.ロスキレはコペンハーゲンから33km,電車でも30分くらいで着く距離です.ロスキレといえば大聖堂.写真の左奥に2つの尖塔が見えます.「真珠の飾りひも(第5巻)」でも観光に立ち寄っています.

 

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この入り口はデンマーク王室関係者専用で,観光客は通れません.ロスキレ大聖堂(Roskilde Domkirke)には代々デンマーク王室の人々が埋葬されています.1階は自由に見て回れますが,2階以上に行くにはチケットが必要です(コペンハーゲンカードが使えます).ぜひ2階に行きましょう.

 

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2階からの眺め.豪華な石棺が見えます.渡り廊下は途中まで渡れます.また3階もありますので忘れずに.ロスキレ大聖堂では美しい装飾の時計も有名ですが,王室の人々が身長を記録した柱もありますのでお見逃しなく.

 

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ロスキレの町中の様子.大聖堂の近くにはロスキレ博物館があります.この地方の古い生活(といっても19-20世紀)の様子が分かります.また,20分くらい海のほうに歩いて行くとヴァイキング博物館もあります.ロスキレやヘルシンオアなど,コペンハーゲンから少し離れるだけで落ち着いた雰囲気を味わえます.ゆっくり歩いて,お茶でも飲んで,買い物をするのもいいですね.

 

次回はデンマークの最終回.コペンハーゲンを見ていきます.

本日はここまで.