アンデルセン童話で巡るデンマーク(3) フュン島

 

今日はデンマークの第3回目です.フュン島の中心都市はオーデンセ(Odense).アンデルセンの生まれ故郷です.

f:id:uchocobo:20160828110738j:plain

 

写真はオーデンセ動物園の入り口です.実はデンマークには動物園や水族館がたくさんあります.コペンハーゲン,オーデンセ,オールボーなどに大きな動物園,コペンハーゲン近郊,ヒルトシャル(Hirtshals)に大きな水族館があります.遊園地もコペンハーゲンのチボリ公園やビルンのレゴランド,各地のバイキングテーマパークなどこちらもたくさんあります.

 

オーデンセはデンマークでは,コペンハーゲン,オーフス,オールボーに続く第4位の都市です.アンデルセン童話にオーデンセの名前が直接出てくるのは「真珠の飾りひも(第5巻)」くらいですが,「あの女はろくでなし(第3巻)」や「鐘が淵(第4巻)」などオーデンセが舞台になっている話がいくつかあります.「ヨハンネ婆さんの話(第7巻)」や「赤い靴(第2巻)」も地名は出てきませんがオーデンセのお話です.

 

f:id:uchocobo:20160830100134j:plain

アンデルセンハウス(アンデルセン博物館).オーデンセ旧市街の中心となる市庁舎からは北西に300mくらいです.アンデルセンの生涯に関する資料があり,ここでもらえる冊子は市内のアンデルセン巡りには不可欠です.オーデンセの市庁舎の前には,地図の起点となる目印もあります.ここにインフォメーションもあり,オーデンセ・シティパスを買うことができます.1日で何カ所も博物館等を回る人にはお得です.動物園は半額,郊外のフュン野外博物館も無料になります.

 

f:id:uchocobo:20160830094057j:plain

アンデルセン公園.この川はオーデンセ川です.「あの女はろくでなし(第3巻)」に登場する洗濯女はこの川を使っていたようです.第7巻のアンデルセン自身による解説では洗濯女を母親がかばったと書いてありますが,アンデルセン博物館の資料ではアンデルセンの母親が洗濯女だったとしています.この場所では川は狭いですが,15分ほど歩くとムンケ・モーセ公園に船着き場があり,動物園方面へ観光ボートが出ています.

 

f:id:uchocobo:20160830162630j:plain

アンデルセン公園の隣にある聖クヌード教会.「赤い靴(第2巻)」の主人公は女の子ですが,アンデルセンが堅信礼の時にここで革の靴をもらった思い出が反映されているそうです.市庁舎のすぐ裏にあり,アンデルセンの銅像が立っています.

聖クヌード教会と道路を挟んだところに,聖アルバニ教会があります.ここは「鐘が淵(第4巻)」の舞台です.

 

f:id:uchocobo:20160830153942j:plain

アンデルセンの少年時代の家.聖クヌード教会から歩いて数分です.アンデルセンの父親は靴職人だったそうで,その雰囲気も残されています.貧しい家庭だったそうですが,日本人が見たら結構広いと感じるのではないかと思います.中庭もあります.忘れてしまいましたが,貧しい靴職人が出てくる話もあります.私は勝手に「父さんのすることはいつもよし(第5巻)」を思い浮かべてしまいました.

 

f:id:uchocobo:20160828135240j:plain

フュン野外博物館には,アンデルセンゆかりの建物が移築されています.リーベ近郊のバイキング野外博物館やオーフスのデン・ガムラ・ビュなどに比べると力不足は否めませんが,日本語のパンフレットも手に入りますので,アンデルセンファンには欠かせません.アンデルセンとは直接の関係がない建物も多いですが,1800年代のデンマークの農村の生活を垣間見ることができます.

 

オーデンセの郊外には大きなローズ・ショッピングモールがあります.スーパーやレストラン,専門店などが多く入っています.バスや車で行ってみてはどうでしょうか? 19時にはほとんどの店は閉まってしまいますので,早めに訪問しましょう.

 

f:id:uchocobo:20160829100903j:plain

オーデンセの南にあるイーエスコウ城(Egeskov).車ではR9を南下して14番出口で降ります.オーデンセからは30-40分くらいです.電車でも行けるようですが,観光バスも多く来ていたので,オーデンセからのツアーもありそうです.ここは絶対に来た方がいいです.

内部はかなり広く,じっくり見るなら丸1日必要です.というのも,この一家の趣味でしょうが,クラシックカー,バイク,自転車等のコレクションが数え切れないほど展示されています.消防車だけでも数十台あります.アメリカン・ピッカーズという番組がありますが,ここにも来てほしいです.お城だけでも,見学には相当時間がかかります.ミニチュアも見逃せません.屋根裏近くにある木の人形には,動かすと不幸が訪れるという伝説があります.これも見逃さないようにしましょう.

中にはレストランもありますが,Jomfru Rigborgはおススメのイタリアンレストランです.ちょっと高いですが,ハムとチーズの前菜やトリュフの入ったパスタなど楽しめます.

イーエスコウ城からさらに南に行くとトーシンゲ島(Tåsinge),さらに南に行くとランゲラン島(Langeland)に行けます.トーシンゲ島のヴァルデマー城(Valdemars slot)はイーエスコウ城のような広さはありませんが,静かでゆったりできます.ランゲラン島にはトラーネケア城(Tranekær slot)があります.ランゲラン島ではデンマークの田舎の様子を見ることができます.

 

フュン島は周辺の島々へのアクセスも良く,隠れた見どころが多くある島です.ぜひ,探索してみてください.

 

本日はここまで.