アンデルセン童話で巡るデンマーク(1) デンマークをドライブ

今日は,デンマークのお話です.岩波文庫のアンデルセン童話(全7巻)とオーデンセのアンデルセン博物館でもらったパンフレットを手掛かりにデンマークを巡ってみようというお話です.

 

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写真はデンマークの道路地図です.ユラン半島(ユトランド半島)のコルディン(Kolding)を起点にした距離が表示されています.写真をクリックして拡大してみてください.この地図は,いろいろな街を起点に距離が表示されて便利なのですが,コペンハーゲン(København)などを起点にすると,オーフス(Århus)などへはフェリーを使う方が距離が短くなるため,フェリー込みの距離になってしまいます.これはちょっと不便です.

 

デンマークは「すべてが小さい国」とも言われます.実際にヨーロッパの地図で見ても小さく見えますが,コペンハーゲンからユラン半島の北端にあるスケーエンまでは500km以上あります.デンマークで運転すると意外と時間がかかるというのが実感です.

 

デンマークの主要地域はドイツと陸続きのユラン半島,その東にあるフュン島(主要都市はオーデンセ),さらに東のスウェーデンのすぐそばにあるシェラン島からなります.その他にも島嶼部やフェロー諸島,グリーンランドからなり,グリーンランドを含めると面積はかなり大きくなります.通貨はデンマーククローネ(DKK)で,デンマークはイギリスとともにEU加盟国でありながらユーロにしなくてもいいという適用除外(オプトアウト)国です.ただし,DKKとユーロは1ユーロ≒7.5DKKで安定させる政策を採っており,ユーロの相場を見ると円高か円安かが分かります.

 

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デンマークの道路は,高速道路130km/h,郊外80km/h,市街地50km/hです.もちろん標識があるときはそれに従います.ヘッドライトは常に点灯させる必要があります.写真のように,高速道路は走りやすいですが,デンマークではカメラがほとんどない(私は一度も見ていません)ためか,制限速度を守る車がとても少ないです.つられてスピードを出さないように注意しましょう.高速道路では渋滞もよく発生します.特に,オーフスやコペンハーゲンでは日常的に発生しているようですので,時間に余裕を持たせたプランが必要です.高速道路は無料ですが,シェラン島とフュン島を結ぶ大ベルト海峡橋(Storebælt,英語名はGreat Belt)は有料です(2016年時点で片道240DKK,約34ユーロ).

ガソリンの入れ方などはスウェーデン南部とほぼ同じですので,そちらをご覧ください.スウェーデン南部をドライブ

 

デンマークは幸福度が高い国として知られていますが,観光客にとっては物価の高い国です.しかも,デンマーク国外で発行されたクレジットカードにサーチャージを課す店舗が多くあります.ちょっと信じられません.まるで途上国のようです.サーチャージは店舗によって違いますが,私の経験ではVISAなど日本で作ったクレジットカードを使うと代金の0.5%~4.5%くらいが上乗せされます.サーチャージの無い店舗もありますが少数です.

 

また,デンマーククローネは100Øreで1DKKですが,Øreは50Øreコインしか発行されていません(25Øreは廃止).そのため,ラウンディングが実施されています(1セントと2セントの将来).

 

デンマークといえば風力発電,LEGO,豚肉,ロイヤルコペンハーゲンなどが連想されますが,アンデルセン童話も有名ですね.親指姫(第1巻),マッチ売りの少女(第2巻),みにくいアヒルの子(第2巻)などが日本でもよく知られています.

アンデルセン童話はグリム童話などとは異なる特徴があります.1つ目は地名や人名がよく出てくることです.デンマーク国内だけでなく,北欧やイタリア(例えば第2巻「青銅のイノシシ」),パリ(第7巻「木の精ドリアーデ」)などの地名やティコ・ブラーエ(天文学者)や詩人など実在の名前がたくさん出てきます.もう一つの特徴は,よきキリスト教徒であれ,という説教調のものが多いことです.第7巻の最後にアンデルセンによる解説がありますが,童話には人から聞いた話や自作のものもあるようです.

デンマークの地名が直接出てこない話もありますが,「あの女はろくでなし(第3巻)」はオーデンセが舞台だと思われますし,コペンハーゲンが舞台だと思われるものもいくつかあります.次回からはユラン半島,フュン島,シェラン島で童話に出てくるいくつかの地名を巡って見ていきます.

 

本日はここまで.