今日はウイーン市内のお話です.
ウイーンは2013年以来久しぶりの訪問でした.欧州徒然草では2009年にウイーンの記事を紹介しています.おもな見どころは当時と変わっていませんので過去記事もご覧ください.
旧市街地をぐるりと回るRing-kai-Ringは廃止になってから10年ほどたつので間違える人はいないとは思いますが,リンクをぐるりと回るのであれば1番と2番のトラムを乗り継ぐのが一番です.個人的には観光客用のRは高いのに加えて夜は運営していないのでおススメしません.
一番上の写真はドナウタワー(Donauturm Wien)からの国際センター(VIC)の眺めです.地下鉄U1のKaisermühlen VICで降ります.この後はちょっと難しいのですが,大きな道路を背に(見えませんがドナウ川を左手に)ビル群を抜けてマンションの間をすり抜け,ドナウ公園を横切ると着きます.ゆっくり歩くと20分以上かかります.Kaisermühlen VICから20Aのバスに乗れば3駅ですが,1時間に1本しかありません.ウイーンの1日交通券やウイーンカードの範囲内です.
タワーは見えていますがなかなか辿り着きません.この写真は国連などの建物を迂回して少し遠回りをして歩いているところです.この先には右手に公園があり,とても美しいですが,ゆっくりしているとタワーに着きません.どんどん歩いて行きましょう.
ドナウタワーの営業時間は10時から24時までです.夜も開いているのはいいと思いますが,暗くなってから徒歩で歩くのはお勧めしませんので,帰りのバスの時間を調べておく必要があります.
今回は地下鉄U1のKaisermühlen VIC付近に滞在することにしました.車でのアクセスが容易で,地下鉄でリンクまで行け(シュヴェーデンプラッツ:Schwedenplatz,シュテファンプラッツ:Stephanplatz,カールスプラッツ:Karlsplatzに止まります),反対方向に行くと(Kagran下車またはAderklaaer Straße下車)2つのショッピングモールがあります.ウイーン市内ではスーパーなどが少なく,高い土産物屋などしかありませんので,ショッピングモールは買い物に重宝すると思います.ただし,Kaisermühlen VIC付近にはほとんど何もありません.
久しぶりのケルントナー通りは工事が終わってずいぶん綺麗になっていました.ケルントナー通りから少しそれたところですが,ビットコインの販売所ができています.EMIがあるところです.『キャッシュレス経済』(2018年7月末頃発売予定)でもほんの少しだけ紹介しています.また,シュテファン大聖堂の屋根も綺麗になっていました.写真はドナウタワーからのズームです.その分,観光客がさらに増えていて,私も観光客であるにもかかわらず辟易しました.地元の人は快く思っていないかもしれません(広がる観光客嫌悪症(tourismphobia) - 欧州徒然草).
旧市街やその周辺を回るにはトラムや地下鉄,バスの利用が欠かせません.24時間券は8ユーロ,48時間券は14.1ユーロ,72時間券は17.1ユーロです.48時間券のお得度がやや低い気がしますが,観光には必須だと思います.ウイーンカードは24時間券で17ユーロ,48時間券25ユーロ,72時間券29ユーロとこちらも48時間券のお得度が低いですが,多くの美術館等で割引を受けられます.
今回は午後に行ったからか,ベルベデーレ宮殿はチケット売り場に長い列ができていました.ちょっと止めようかとも思いましたが,頑張って並びました.ベルベデーレ宮殿は,クリムトの絵がある上宮(Alto Belvedere),豪華な部屋やオランジェリーがある下宮(Bajo Belvedere),現代美術館になっている21世紀ハウス(21er Haus)からなります.ほとんどの人は上宮に興味があるのではないかと思います.写真の白壁に緑の屋根の建物が上宮,広~い庭園の先にあるクリーム色の壁にオレンジの屋根の建物が下宮です.単品のチケットやコンビチケットがあり,観光客が悩んでいるのも列が長くなる要因のように思います.「クリムトだけ(Klimt only)」といえば分かってくれると思います.
トラムD番のPlößlgasseかSバーン(R,S1~S4)またはトラム1,18,D番などのQuartier Belvedereが最寄りです.Plößlgasseの方が近いと思います.
上宮は美術館になっており,写真撮影可能です.やはりクリムトの『接吻』が人気で人だかりができており,ナポレオンの絵はスルーされていました.クリムトの絵と写真を撮りたい人が多すぎてチャンスがあまりありませんが,隣の部屋に実物大のパネルもあります.
シェーンブルン宮殿も相変わらずの人だかりです.地下鉄U4のSchönbrunnが最寄りですが,10分くらい歩きます.地下鉄の駅を出て大通りを右の方に進みますが,他にも観光客がたくさんいると思いますので,付いて行けば大丈夫です.
シェーンブルン宮殿では,自動券売機が設置されていました.多くの人は通常コース(Grand Tour)か割引コース(Imperial Tour)を買うと思いますので,この券売機でOKです.クレジットカードが使えます.インペリアルというのは偉そうな名前ですが,宮殿の半分しか見ることができない一番安いチケットです.残りの半分を見るためにはグランドツアーを買う必要があります.値段の差はあまりないので,グランドツアーをおススメします.グロリエッテや庭園迷路,オランジェリーも見る場合には総合コース(Classic Pass)もあります.個人的にはここの庭園迷路には別に行く必要はない気がしますが,上り坂も含めて30分ほど歩いて行くグロリエッテの上からの眺めはとてもいいので体力と時間のある人にはおススメです.シシチケット(Sisi Ticket)は一番高いですが,シェーンブルン宮殿のグランドツアー+ホーフブルク(王宮)のチケットです.ホーフブルクに行くには旧市街地に戻る必要があります.
シェーンブルン宮殿に来たら裏の庭園も忘れずにみましょう.遠くにグロリエッテが見えます.6月頃だと庭園に行く途中にバラのアーチがきれいに咲いています.以前訪れたときはバラの花を剪定していて,観光客に配っていました.
ウイーンで食べたいものといえばシュニッツェルがありますが(グーラッシュはウイーンよりもブダペストで食べた方がおいしいと思います),やはりザッハートルテ(チョコと杏子ジャムのケーキ),アプフェルシュトゥルーデル(アップルパイ),アイスカフェは捨てがたいです.ウイーンに来たらいつもこの店に寄っていますが,アイスカフェはやや質が落ちています.過去記事の2008年の写真とはかなり見た目も違いますし,味も違うような気がします.
これも観光客がわんさか来ているせいかもしれません.
ウイーンでは音楽を楽しみたいという人も多いと思いますが,オペラのチケットはネットで予約するのがおススメです.街中でうろうろしているモーツァルトからは絶対に買ってはいけません.後で後悔します.
ウイーンは現在でも非常に魅力のある町であることには変わりありませんが,来るたびにがっかりすることも多くなりました.街中はささっと見て,郊外に足を運ぶのがいいのかもしれません.
本日はここまで.