レンタカー価格の表示透明化

今日は,EUが進めているレンタカーを問題への取り組みです.

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最近では,レンタカーはWeb予約をするのが普通だと思います.ただ,空港などのカウンターに行くと,追加料金を取られるなどの問題が多く発生しており,各国の消費センターには苦情が殺到し,2010年から2016年の間に苦情は2倍になっています.私も,Web予約時にフルプロテクションの保険に入ったのに,現地の窓口でこれは無効だから自社の保険に入れといわれたことがあります.

このような問題に対して,EUでは2014年から大手レンタカー会社と価格表示の透明化に向けて対話を重ねてきており,2017年1月に合意に達しています(IP/17/86).しかし,その後のレンタカー会社の対応は遅く,あまり進んでいません.

2019年3月25日の欧州委員会からのニュースでは,大手5社のうちEnterpriseとSixtの2社がEUの要求にすべてこたえています.Avisは2019年5月,Europcar(傘下のGoldcarも含む)は2019年6月,Hertzは2020年第1四半期に対応を完了させるとしています.当面はすでに基準をクリアしている2社を選ぶのがいいと思います.

 

新しい基準は以下の3つです.

1:表示価格にはすべてを含むこと.
空港サーチャージ,燃料サーチャージなども含まれなければなりません.冬季であれば冬タイヤ料金なども含まれますし,乗り捨てが選択できる場合には乗り捨て料金も含めて表示する必要があります.

 

2:契約に関する文書は全加盟国の言語で表示すること.
全加盟国というのはEUの言語を指しています.イギリスが脱退してもアイルランドやマルタでは英語が公用語のため,英語は引き続き利用されます.燃料の種類や燃料ポリシー,キャンセルポリシー,デポジットの有無,距離の制限の有無などが明記される必要があります.

 

3:追加の保険などのオプションについて明記すること.
保険は厄介な問題です.フルプロテクションと書かれているのに,オプションがあるのは矛盾している気もしますが,免責額やどこまでが通常価格に含まれているのかを明記する必要があります.

 

2017年の段階では,修理代などの請求があった場合に消費者側でチャレンジできることなどが盛り込まれていましたが,今回は入っていないようです.

 

私たちにできる手段は,すでにEU基準を満たしている企業を選ぶことです.これだけでは不十分であることは明らかなので,今後より消費者に有利な対策が導入されていくことでしょう.修理代の請求に関しては,専門に扱う第3者機関などが設立される必要があると思います.

 

本日はここまで.