フィンランド(8)−タンペレの市内

今日と明日はヘルシンキから北西に2時間ほど行ったタンペレ(Tampere)のお話です.

タンペレは2つの大きな湖に囲まれた大きな都市で,上から見ると鳥のような形をしています.私はトゥルクからバスで行きましたが,約3時間半でした.バスだと電車よりは時間がかかりますが,いくつかの町中も通って行くので電車よりも景色を楽しめます.


タンペレの中央駅.長距離バスで来た時にも,この近くで止まってくれます.ただし,降りるボタンを押す必要があります.タンペレのバスセンターはここから500メートルくらい離れた所にあります.

駅の中にはインフォメーションがあり,市内の地図や空港へのアクセスについて教えてくれます.バスの路線図は1.50ユーロです(2009年当時の価格).空港に行くにはバスを使いますが,バスの時刻表は8月の中旬で冬時間に変わります.私の場合,インフォメーションで聞いた時間は夏時間で,実際に乗るときには冬時間になっていました.空港へは1時間前に到着すれば十分ですが(30分前でもOK),最悪乗り遅れる可能性もあるので,8月に旅行する人はバスの時刻表の上に書いてある有効期間をチェックしておいた方がいいでしょう.




タンペレの町と2つの湖.駅前の通りはビルが多くて近代的ですが,500メートル近く歩いてタンメルコスキ川(Tammerkoski)の橋を越えると落ち着いた雰囲気になります.それからバスなどでさらに離れていくと,自然豊かな風景に徐々に変わってきます.




ムーミン谷博物館.ここは市民図書館になっていて,その地下の一部分がムーミン谷博物館に充てられています.正面の入口ではなく,バスに隠れている下の階の入り口から入って行きます.中は,作者のトーベ・ヤンソンによるイラストやムーミンの物語を再現したジオラマが展示されています.残念ながら,4分の1くらいの展示物は日本に行っているそうで,あまり見られませんでした.ここでは,ジオラマの方が観光客の目を引きますが,展示物として価値があるのは壁に飾られているイラストです.実際に,ジオラマは発泡スチロールなどでできており,クオリティは高くはありません.日本人とフィンランド人のセンスの違いでしょうか.




博物館の入口です.この入口の近くにはムーミンの小さな像があります.よく観光ガイドにこの写真が載っていますが,像はムーミンのみです.ここの図書館は,財政状況が少し厳しいらしく,ムーミン谷博物館も手作り感がありありです.博物館にはお土産ショップが併設してあります.ここのお土産は,ヘルシンキやナーンタリのものとは違うものが多いです.ムーミン谷20周年の本がありますが,これは,ムーミンについての解説本ではなく,この博物館の歴史が中心となった解説本です.

さらに隣には石博物館があります.鉱物博物館といった感じではないです.鉱物や宝石の原石などもありますが,石を鳥やカエルなどに加工したお土産品のようなものも多数展示されています.狭い館内には,かなり多くのものが無造作に置かれています.一見の価値はありますが,時間がなければスルーするのがいいと思います.




図書館のすぐ前にある,ハメ公園(Hämeenpuisto).1キロ以上にわたって,このような公園が続きます.北の端には博物館があります.




タンペレの町には,このような赤れんがの建物がたくさんあります.ここは,駅前の大通りから橋を1つ分だけ北に行ったところの通りです.左の一番奥の建物には,スパイ博物館があります.中は広くはありませんが,マタ・ハリがつけていたという指輪をはじめ,スパイの歴史やスパイ道具などが展示されています.タンペレには小規模なテーマ別博物館がたくさんあるので,興味に応じていくつか回ってみるといいでしょうね.




タンペレ劇場の向かい側の広場.右に見えるのはタンメルコスキ川です.駅からだと10−15分でここまで来ることができます.




川沿いを歩いて行くと,このような景色に出合えます.夕方になると,赤れんがの建物や工場が夕日に映えてとても美しく見えます.




アレキサンダー教会.ムーミン谷博物館の近くにあります.かなり大きな教会です.今回は時間の関係で中には入れませんでした.




駅の裏手にあるショッピングモール.ちょっと気が付きにくい所にあります.ソコスホテル・ヴィラの一部はこのモールと共有スペースになっています.また,ホテルヴィクトリアの道路の真向かいにも入口があります.ちなみに,タンペレにもソコスホテルはいくつもあります.ソコスホテル・○○のような名前になっていますので,タクシーなどを使うときにはホテル名を全部言わないと間違った場所に行ってしまいます.




タンペレ市内で見かけた時計.プラスマイナス30℃まで計れるところが北欧らしいですね.こんなに寒くなるんですね.私が行ったときには,ヘルシンキもタンペレも30℃近くまで気温が上がりました.




ここは,レストラン・ハラルド(Harald).バイキング料理の店です.駅を背中にして駅前通りを川も越えてひたすら歩くと,左側にあります.私は5分待ちくらいで入れましたが,人気店らしく,予約がないと入れない日もありそうです.ここは高いですが,珍しい料理がたくさん出てきます.私は奮発して,「Voyage of the three shields」というコース料理にしました.フィンランドの伝統的な料理がおなかいっぱいに楽しめます.これは,メインのトナカイのステーキ.ベリーのソースをかけますが,付け合わせもたくさん出てきます.このお姉さんは英語があまり得意ではないみたいで「ジャガイモの料理とジャガイモとジャガイモとジャガイモ.」みたいな説明でした.左にオレンジ色に見えるのは,甘く味付けをしたジャガイモで,大きな器の中もジャガイモ,大きめに切って焼いたジャガイモに,ステーキの横に添えたジャーマンポテト.確かに説明するのは難しいですね.

デザートには,3種類のアイスがありましたが,そのうちの一つはタール味.念のため,「タールって何?」と聞いてみましたが,木を焼いたときに出るもの,ということだったので間違いありません.あのタールです.伝統的なフィンランドの味だそうです.私にはどうしても正露丸の味にしか思えませんでしたが,「みんなこれだけは嫌いだと言うよ」とのことだったので,残すことにしました.コース料理でなくても,デザートは単品で頼めますので,ぜひ挑戦してみてください.

フィンランドのレストランでは「Tap water, please」といえば,普通の水をくれます.たいていピッチャーに入った氷水が出てきます.1人あたり0.50ユーロか1ユーロくらい取られますが,無理してジュースなどを頼むよりも経済的です.


明日は,タンペレの遊園地のお話です.

本日はここまで.