アウトバーン

今日はアウトバーンのお話です.

言わずと知れたドイツの高速道路,アウトバーンですが,実際の所はどうなのか,あまり情報がないと思います.第二次世界大戦前に作られ,速度制限がなく,世界一走りやすい高速道路,といったところでしょうか.実際に走ってみると,いろいろなことがわかってきましたので紹介します.


アウトバーンの写真.これは5号線という幹線道路です.ドイツは右側通行なので,遅い車が一番右側の車線を走り,早い車が左側から抜いて行きます.この辺は徹底されていて,遅い車がいつまでも左車線で道をふさいでいたり,遅い車を右側から抜いたりというようなことは,ほとんどありません.この辺のマナーは日本とは全く違います.




出口の表示.2000メートル前,500メートル前,というパターンと,1000メートル前,500メートル前というパターンが多いようです.アルファベットで文字数が多いためか,フォントは日本の標識よりも小さいです.見づらいですが,この奥にも白い標識があって,500メートル先の出口では大型車は出られません.




これが出口です.アウトバーンに限らず,普通の幹線道路でも出口のカーブが日本の高速道路の出口よりもはるかにきついです.30−60Kmくらいでないと曲がれません.それまでかなり速いスピードを出している車は,強くブレーキを踏まされることになります.こういう仕組みは危険があり,あまり良くないと感じました.




高速道路のパーキングの表示です.日本と違い,パーキングは本当に駐車スペースがあるだけ,というのも多いです.インフォメーションとトイレがあるのは,まあまあいい方です.もちろん,レストランがあるパーキングもありますが,パーキングは日本の方が断然いいですね.




ここは,パーキング内に設置された滑り台.誰が使うんだと,思うでしょうが,実際には次から次に子供たちが着て結構人気でした.日本のパーキングにも作ったらいいかもしれませんね.




上り坂では,トラックが連なります.長くてきつい上り坂では,トラックが追い越し車線に出ることが禁止されています.トラックはちょっとイライラするでしょうが,道路全体の安全を考えるといい処置だと思います.ドイツのトラックはスピードをよく守っています.日本では時々暴走トラックがいますが,ドイツは80−90Km/hくらいできちんと走っています.バスも100Km/hくらいを守っています.私の車にもついていますが,バスやトラックにもオートクルーズ機能がついています.走行中にステアリングの近くについているレバーを操作すると,100Km/hなど事前に設定したスピードを守ってくれます.私の車についているものは,クルーズ中に設定速度を変えることもでき,結構便利です.この機能は,ブレーキを踏むと解除になります.




アウトバーンではどれくらいスピードを出しているのか気になるところですが,多くの車は120−170Km/hくらいでおとなしく走っています.このスピードでもマナーがいいので,おとなしく感じます.日本で見られるような,うらうらっと走っているみっともない人はいません.日本よりもカーブが少なく,車線も広いので,170Km/hでも車がしっかりしていれば走りにくさはないのではないかと思います.私の車はそんなにスピードは出ないのと,燃料がもったいないことから普段は100−120Km/hで走っています.急いでいるときは,150Km/hくらいで走っていますが,特に危ないわけでもなく走りやすいですね.もちろん,前に遅い車がいるからといって,パッシングしてはいけません.

200Km/h以上出していそうな車は”そんなには”いません.燃料ももったいないでしょうし,速度制限があるところも多いので,スピードを出しっぱなしというわけにはいきません.アウトバーンの速度制限は,120,100,80Km/hが多く,工事区間では60Km/hもあります.制限速度をきっちり守る人はそんなに多くはありませんが,無制限から120Km/hまで制限が下がれば,ほとんどの車がブレーキを踏んで速度を落とします.150Km/h以下くらいにはなっていそうです.




ここも工事区間です.白線は無視して,黄色い線に従って走行します.ここは結構狭いので,追い越しは難しいです.実はアウトバーンは工事が多く,遅い制限速度が課されているので,思ったよりも移動に時間がかかります.例えば,マールブルクからフランクフルト空港まで行く途中には,自動車専用道路も入れると,3か所工事区間があって,一番遅いところでは30Km/hまで減速させられます.工事区間は結構長く,なかなか車が進みません.

アウトバーンは滑らかな路面も多いですが,ガタガタの所も結構あります.関越自動車道下りの一番左の車線はがたがたですが,それよりもひどい区間もあります.

雨が降っても速度制限が入ります.だいたい120Km/hか100Km/hになりますが,大降りの時は全体のスピードが自主的に下がります.今年は局地的にどしゃ降りになることが多く,前が見えないくらい降ることもあります.そういうときは,みんなで協力してスピードを下げるので,意外と安全です.




フランクフルトなど大都市の近くは,ビルがいっぱいありますが,旧東ドイツの方に入ると,写真のようなのんびりとした風景が続きます.そんなに多くの所を走ったわけではありませんが,今までの経験では,旧西側と旧東側は風景から受ける印象ががらりと変わります.また,あまり車が走っていないせいか,西側からの財政援助で工事をしまくったからなのか,路面がきれいなところも多いです.

アウトバーンでは,自分の速度さえ守れば,自転車も歩行者もいないので走りやすいですね.ただ,出口や分岐はやや分かりづらいです.特にマールブルクの近くには,ギーセンリンク(Gießener ring)というところがあって,ここでは直径20−30Kmの範囲にいくつものアウトバーンが交差しています.この狭い区間に分岐や出口が20個以上もあり,間違うと変な方向に行ってしまいます.私も初めて通った時には,間違ってしまいました.日本の高速と違って無料なので,何度も乗りなおすことができ助かりました.

アウトバーンを走るときには,ナビがあった方がいいかもしれませんね.私は地図派ですがときどきナビがほしくなります.

本日はここまで.