ドイツの冬の道路事情

2月の中旬になって,ドイツではだんだん春らしい天気が増えてきました.

冬と春の違いは気温ではなく,空模様だと思いました.冬の間はどんよりと曇った日が多く,晴れ間が出ても一時的で数時間もしないうちにまた曇天になります.これが2月の中旬あたりからは,スカッと晴れた空が見られるようになりました.気温はまだ高くはないのですが,晴天によって昼が長くなったような気がします.

そのため,運転もずいぶん楽になりましたが,地域によってはまだまだ雪がたくさん残っています.そこで,今日はドイツの冬の道路についてお話しします.

まず,大都市の一般道ですが,大きな町では雪を溶かす薬品が大量に撒かれているため,雪が積もって走行が困難になることはあまりありません.ドイツの場合はとにかく薬品をどんどん撒きます.そのおかげで運転は比較的楽です.怖いのは突然のどか雪で,1−2時間で10センチくらい積もる雪が降ると交通がマヒすることがあります.


ドイツの雪は,さらさらなのに粘っこいという印象です.日本では雪道でもスリップすることはほとんどなかったのですが,ドイツでは小さなスリップは頻繁にあります.私だけではなく,周りの車もそうです.この原因は,雪質の違い,路面の違いがあるようで,もしかしたらタイヤも違うのかもしれません.ドイツの雪は溶けていないのにシャーベット状になりやすく,タイヤの溝がすぐに埋まります.その上,石畳の道が意外に多く,石畳に雪が乗るとスリップはさらに増えます.石畳の上り坂では,車が全く登らなくなり,タイヤを空転させている車をよく見ます.私もそうなったことがあります.

郊外の一般道でも雪対策をしているところは多く,一般的には走行困難な所は少ないと思いますが,雪対策が間に合わないところもあると思います.問題は,郊外の一般道はスピード制限が100Km/hになっていて,ドイツ人は冬でも100Km/hで平気で走るということです.地元の人は滑りやすい場所や危険な場所が分かっているのでスピードを出すわけですが,初めて通る道ではゆっくり走った方が無難です.アウトバーンと違って道が狭く,急カーブもあります.カーブ手前でブレーキを踏んだら凍っていた,などということになると大変です.


アウトバーンは雪が降っていなければ最も走りやすいのですが,どか雪が来ると一番大変なのもアウトバーンです.トラックがスリップして坂を登れなくなります.その後ろは写真のような大渋滞です.冬に車で移動するときにはこのようなリスクは常に考えておいた方がいいです.ガソリンは早めに入れて,時間にも余裕を持たせてプランを作ってください.アウトバーンで事故が起きると,しばらくの間は全車線がストップします.特に片側2車線しかない道路では,1車線だけ車を通すケースは少なく,事故処理が終わるまで2車線とも止めることがあります.そうすると1時間は足止めを食います.

ちなみに,アウトバーンでトイレに行く時には,いわゆるサービスエリア(ドイツではAutohofといいます)よりも,パーキングの方がお勧めです.サービスエリアにはガソリンスタンドやレストランもありますがトイレはたいてい有料で,時間帯によって運んでいることもあります.パーキングでは自動販売機をはじめ設備は全くなく,トイレだけですが無料で使えて混んでいることはほとんどありません.ただ,紙はないことが多いので持参した方がいいですね.

ドイツ人に聞くと,気温が低くても,雪が降っていても全然気にしないそうです.怖いのは氷で雪がいったん解けかけた後に凍っていると慎重に走るそうです.つまり,マイナス10度で雪が降っていても,150Km/h以上で平気で走り,ほとんど車間距離を取らないのがドイツ人で,一度事故が起きると大惨事です.事故に巻き込まれないように,できるだけ慎重に,車間距離をとることをお勧めします.

本日はここまで.