ベルギー(3) − ブリュッセルの見どころ

今日はブリュッセルの見どころを紹介します.

ブリュッセルは大都市で見どころたくさんです.何しろブリュッセルカードで無料で入ることのできる美術館・博物館だけで34もあります(2009年時点の情報).あらかた見て回ろうと思えば,1週間くらいかかるのではないかと思います.ここでは,私が行った中からいくつかを紹介します.

ブリュッセルでの観光には,ブリュッセルカードがお勧めです.24時間,48時間,72時間券があります.48時間券で28ユーロです.トラム・バス・メトロに乗り放題の券(一部乗れない路線もあります)と,博物館に無料で入場できる券がセットで付いてきます.無料になる所が多いので,1枚持っておくと便利です.ブリュッセルカードを買うと無料で地図が1枚もらえますが,個人的にはあまり使い勝手が良くないです.私が一番使えると思ったのは,ミュージアムマップです.私は市庁舎で手に入れましたが,置いてあるところが少ないようです.


王宮(Palais Royal).グランプラスからは南東の方向に歩いて15分くらいです.夏期間だと中に入って見学できるそうです.


サブロンのノートルダム教会(Églese Notre-Dame du Sablon).王宮からレジェンス通り(Rue de la Régence)を最高裁判所(Palais de Justice)の方向に歩いたところにあります.ブリュッセルには,ノートルダムの名前が付く教会が他にもあり(シャペルのノートルダム教会,ラーケンのノートルダム教会など),ちょっとややこしいですね.ここは12世紀から15世紀にかけて作られた教会だそうで,ベルギーで最も美しいゴシック様式の教会だそうです.


デブラード・セルクラースの像.この像がある所の一帯はブラバン公爵の家(La Maison des Ducs de Brabant)と呼ばれており,これは,そのうちの星の家(L'Etoile)の建物にあります.これに触ると幸福になるそうです.グランプラスのすぐそばです.


ブリュッセルのシンボル,小便小僧(Manneken Pis).グランプラスからデブラード・セルクラースの像の横を通って200メートルほど行ったところにあります.この小便小僧にはいくつかの伝説があるそうで,手元の資料では,お祭りの日に迷子になってしまった子供が5日後にこの姿で見つかったとか,戦争の際に敵が導火線につけた火をこの少年が消したなどの説があるそうです.小便小僧が設置されたのは1619年で,1698年に初めて衣装が送られたそうです.その後,あちこちから衣装が送られ,その数は250点を超えているそうです.この衣装の多くは,グランプラスにある市立博物館(Museé de la Ville)で見ることができ,日本から送られた武士や桃太郎の衣装もあります.


アトミウム(Atomium).メトロ(地下鉄)の6番線でHeysel(Heizei)で降りるのが便利ですが,トラムの23番や51番でも行けます.地下鉄の駅名が2つありますが,ブリュッセルでは,フランス語とオランダ語の2通りに表記されている駅があります.車内アナウンスでは,両方の名前がアナウンスされますが,ちょっとややこしいですね.駅によってはフランス語とオランダ語で全く違う名前の所もあります.また,メトロの2番線は環状線のようになっていますが,2つの方向の行き先がSimonis(Elisabeth)とSimons(Leopold II)でよく見ないとどちらか分かりません.こういうところが秩序も方法もないベルギーという感じです.


アトミウムは1958年の万博の際に建造された施設で,その後取り壊されることなく観光地として使われています.そろそろ耐久性の心配をしなくてはいけないような気がしますが,9個の玉のうち4つに入ることができます.ブリュッセルカードで入場料が割引になって7ユーロです.私個人の意見としては,確かにブリュッセルの景色は見られますが,ここに来る必要は全くないでしょう.ただ,すぐ近くに写真に映っているミニヨーロッパやプールがあり,これを見に来るという手はあると思います.私は,アトミウムの展望台から見たので行かなかったのですが,ミニヨーロッパはヨーロッパ各地の建物の25分の1の模型がたくさんあるそうです.


この日は気温がマイナスで,アトミウムの近くの池もこのように凍ってしまいました.カモメたちも氷の上を歩いています.


サクレクール国立大聖堂(La Basilique Nationale du Sacré-Cœur).メトロ2番線または6番線のSimonis(Leopold II)から歩いて10分くらいです.地下鉄から19番のトラムに乗り換えてもOKです.最近作られた大聖堂で,完成は1970年だそうです.


大聖堂の近くにあるのがブリュッセル市水族館(Aquarium Public de Bruxelles).小さな水族館ですが,ブリュッセルカードで無料になります.ここには大きな水槽もなく,ショーも何もありません.40以上の小さな水槽が並んでいるだけなのですが,あまり見たことがない小さな魚がたくさんいます.私は動物園や水族館にはよく行きますが,ここは隠れた名所だと思いました.


この日は水族館に入るちょっと前から突然,雪が降り出しました.雪は2時間ばかり降りましたが,あっという間に10cm以上積もり,水族館から出てみると,町は写真のように真っ白になっていました.

この写真はベルヴュ博物館(Museé BELvue)です.ベルギーの独立は1830年ですが,それから今日までのベルギーの歩みが分かる博物館です.ブリュッセルカードで無料になり,クーデンベルク(Coudenberg)という地下遺跡にも行くことができます.地下遺跡の方は,コンサート会場やパーティ会場としても使われているようです.


サン・ミッシェル大聖堂(Cathédrale St. Michel).グランプラスから歩いて5分ほど,メトロの1番か5番でGare Centrale駅からも歩いてすぐの所にあります.1226年まで歴史をさかのぼることのできるこの大聖堂は,外観の美しさだけでなく,ステンドグラスやチャペルも必見です.


グランプラスから歩いて1−2分の所にある,ギャルリー・サン・チュベール(Galerie St. Hubert).ブランドショップやチョコの店,お菓子の店,カフェなどがあります.アーケードになっていますので,雨や雪でも心配ありません.


夜の市庁舎.クリスマスシーズンだけなのか,いつもやっているのかは分かりませんが,光のショーをやっていました.しっかりスポンサーの名前も映されていましたが・・・

ブリュッセルには見どころがまだまだ沢山ありますね.いろいろあって楽しい町ですが,道路など混乱しているところや効率の悪いシステムなどが目に付き,ベルギー人はダメだなぁ,と思うことがたくさんありました.例えば,マグリットです.ブリュッセルには,マグリットの家博物館(Musée René Magritte)とマグリット博物館(Musée Magritte)があります.この2つは全然違う場所にあり,展示の内容も違います.何でこんなに紛らわしいことになったのかは分かりませんが,やっぱりベルギー人のやることだということでしょうか.ヨーロッパでは,なぜかベルギー人は事あるごとに馬鹿にされます.なんとなく分かる気もします.ともかく,個人的にはあまり好きな町ではないですね.私のように,ドイツ語圏や北欧に慣れている人にとっては,不愉快な町だともいえます.

とはいえ,訪れる価値のある町であることは間違いないと思います.

明日は,ブリュッセルの北にあるメッヘレンのお話です.

本日はここまで.