ルクセンブルク(4) − ヴィアンダン

今日はルクセンブルク市の北にあるヴィアンダン(Vianden)のお話です.

ヴィアンダンは裏山を越えたらすぐドイツというくらいドイツとの国境に近い町で,フランス語とともにドイツ語も通じます.電車は通っていないようなので,Ettelbruckあたりまで電車で行って,バスに乗り換えるか車で来るしかありません.ルクセンブルクでは北に延びるアウトバーンを建設中で,2012年にはルクセンブルク市からEttelbruckまで直通で行けそうです.市内からは7号線(EU表記ではE421号線)を使って郊外に出て,途中からアウトバーンに乗り,9番出口(Ingeldorf)で降りてDiekirchを目指します.そのあたりからは看板が出ているので後は簡単です.ルクセンブルクの市内からは車で1時間半くらいかかりますが,アウトバーンがつながれば40−50分くらいで行けると思います.


ヴィアンダンの目玉は何といってもヴィアンダン城(Château de Vianden)です.この城は,11世紀から14世紀にかけて建てられたそうですが,1820年にオランダのウイリアム1世により城が切り売りされて廃墟同然になったそうです.1977年にルクセンブルク大公が国有化して以降,修復が進み,現在の形になっています.

車で山道を走っていると,突然このように城が見えてきます.城の大きさにはびっくりです.


お城の駐車場から入口を登って行きます.バスターミナルは町に中心部にあり,ここまで歩いて15分くらいかかりそうです.中は1番から22番までに分かれており,順番に見学します.ところが,私が行った時には18番までしかなく,19番の入口はカギがかかっていました.19番以降は夏のみなのかもしれません.お城の中は,王族の部屋や礼拝堂,武器の展示室など多岐にわたります.それほど大きくはないですが,十分楽しめる内容です.


お城から見たヴィアンダンの町並み.これでほとんど全部です.

見学コースの途中で少しだけ外に出ることがあります.雨が降っているとちょっと大変そうですね.今回は雪が積もっていたので小さな雪だるまを作りました.


ヴィアンダンの町並み.町にはウール川(Our)が流れており,川に架かる橋があるこの辺が観光の中心です.冬場でも開いているのはお城とこの写真の右側に見える白い建物のビクトル・ユーゴー博物館(Victor Hugo haus und Literaturmuseum)のみです.他にも博物館等があるようですが,すべて4月にならないと開かないそうです.教会も昼間は開いていないみたいです.この写真には映っていませんが,左手にツーリストインフォメーションがあります.


ビクトル・ユーゴー博物館.説明がフランス語とルクセンブルク語なので,ユーゴーとヴィアンダンのかかわりは分からなかったのですが,しばらくここに住んでいたようで,当時の調度品と作品が展示されています.ここのいちばん上から眺めるウール川とお城の景色はきれいなので,ちょっと外も見てみてください.


これがヴィアンダンで一番美しい景色だと思いました.夏になるとどんな風景になるのか,一度見てみたいですね.

ヴィアンダンの周辺は,ハイキングやサイクリングの道が整備されているみたいです.日本人は,博物館とかお店とかピンポイントで観光しますが,ヨーロッパ人は周辺をゆっくり歩いたり自転車に乗ったりして観光します.日本人みたいにあわただしく移動しないので,このような場所も観光地として成り立つわけですね.


帰る途中である標識が気になって,山の方に登ってみたのですが,こんな感じになってしまいました.これでも集落と集落をつなぐ重要な道路で,定期的に除雪車が入ります.実はここで車がスタックしてしまい焦りました.雪が積もりすぎて,車のフロント部分が引っ掛かって進めなくなったのです.仕方なく,少し下がって前の雪を足で踏みならしてから脱出しました.

本日はここまで.