リトアニア(4) − トゥラカイ

今日は,ヴィリニュスから西に28Km離れた所にあるトゥラカイ(Trakai)のお話です.

トゥラカイは1323年にヴィリニュスに首都が移るまで首都として機能していました.遷都の後もゲディミナス大公はここに居城を置き続けたそうです.

トゥラカイに行くにはバスが便利です.ヴィリニュス駅の横にあるバスセンターから,バスがたくさん出ています.6,7,8,28,29番のプラットホームからバスが出ていますので,バスセンターのインフォメーションで次のバスを聞いてからバス乗り場に行きましょう.料金は会社によってまちまちで,私が払った料金は片道6リタまたは6.80リタで,片道30分くらいかかります.普通,バルト3国では,バスのチケットを買った時のレシートがそのままチケットになります.バスが突然路上に止まって,係員が乗りこんできてチケットをチェックすることがあります.バスに乗る時に運転手にチケットを見せるので,このチェックは無駄だと思いますが,ともかくチェックの可能性があるので,チケットは目的に着くまでは捨てたり破ったりしないように気を付ける必要があります.


トゥラカイからヴィリニュスに戻るバスの本数は多くはありません.季節によってバスの本数も変わるようですので,帰りのバスをチェックしておいた方がいいです.これが,トゥラカイのバスターミナルの案内版です.


リトアニアでも売っているんだな〜,と思っただけです.作者の名前が少し違うような気がしますが・・・.バスターミナルのキオスクに売っていました.また,バスターミナルの近くでは小さなマーケットが開かれることがあり,私が行った日にも開かれていました.食料品や魚などの定番に加えて,ファミコン(初代)やプレステのコントローラー(なぜか本体やソフトはなくてコントローラーのみ)など変わり種もありした.


バスターミナルからこの道をひたすら歩いて行きます.地図で見ると,1.5Kmほどありそうです.一応バスもありますが,本数が少ないので歩いて行った方が早そうです.500メートルほど進むと,インフォメーションがあります.


この町には,トゥラカイ城(Trakų Salos Pilis)以外の見どころはほとんどありません.このカライメ民族博物館(Karaimų Entografinė Paroda)くらいでしょうか.入場料は4リタ.チケット売り場も含めて小さな部屋が3つあるだけです.時間があまりないのであれば,スルーしましょう.


この博物館の前の通りはカライメ通り(Karaimų)といい,カライメ族の伝統的な家があります.カライメ族の家は通りに面して3つの窓があり,入口は通りに面していません.この3つの窓は,神様,トゥラカイ城の最初の居住者であるヴィータウタス大公,家族のための窓だといわれています.博物館には,ちょうどこのアングルの博物館建築当時のこの通りの古い写真が展示してありますが,一番手前の黄色い家は当時から今までずっと残っていました.


いよいよトゥラカイ城です.ここには橋を通って行きます.入場料は10リタ.この景観がとても美しいですね.トゥラカイ城ははじめはもっと小さかったようですが,徐々に拡張工事がおこなわれて大きくなっていきました.その後戦争で廃墟になったまま長らく放置されていたようですが,第二次大戦後に修復作業が始まり,今の形になりました.昔の様子と今の様子は,城の博物館にあるPCで見ることができます.民族音楽に乗せて,CGの小さな馬や人が画面上をぽちぽち歩いて行くのは見ていて飽きません.


城の中は結構複雑です.見学ルートは事実上一本道ですが,次の道を探す楽しさがあります.展示物はかなりの量で,ゆっくり見ていくとかなり時間がかかります.入ってすぐ左手の建物で,2階の展示室でコースを外れて出口の奥に行くと上に行く階段があり,お土産ショップになっています.また,この写真の前方3階には郵便局があり,絵ハガキや切手などが買えます.個人的にはお勧めAランクのスポットです.


トゥラカイの伝統料理キビナイ(Kibinai).あちこちのカフェなどで食べられるそうです.価格も5リタ以下の店が多く,安く気軽に食べられます.

トゥラカイには,もう一つ博物館があります.民俗博物館の近くにもう一つの城があります.この城は廃墟になっていますが,敷地内の白い建物の中に博物館があります.こちらも非常に狭く,特に入る必要はないと思います.歩いて回れるところはこれくらいで,バスや自転車などが必要になってきます.ヴィリニュスからの日帰り観光にちょうどいいですね.
リトアニアには,まだまだ行く所がありそうです.今回はヴィリニュスの新市街にも行っていませんし,夏であれば,ヨーロッパ公園に行くという選択肢もあります.ヴィリニュスから北に19Kmほど行ったところにあり,ヨーロッパの中心地に近いそうです.この場合のヨーロッパには,ロシアの一部も含まれてそうでウラル山脈以西という意味だと思います.ここは散歩道としてもいいですし,世界の彫刻家による作品群の野外展示もあるそうです.今度訪れる機会があれば,他の町にも行ってみたいと思いました.

本日はここまで.明日からはラトビアです.

追記(2016年):バルト諸国の通貨はすべてユーロになっています.クレジットカードは多くの場所で使えますが,古いサイン式のカードは使えません.ICチップ付きのクレジットカードは必須です.バルト諸国の新しい観光情報は,「おさんぽわんこの旅の思ひで…ヨーロッパ編」がとても詳しいので,ぜひご覧ください.