プファンド

今日のお話は,ペットボトルなどのデポジット制度についてです.

ドイツでは,飲み物を中心に缶,瓶,ペットボトルにデポジット制度(預かり金制度)が採用されています.日本でもかつては瓶にデポジット制度が採用されていました.瓶の飲み物を買う時に,いくらかのお金を上乗せしてお店に支払い,使い終わった瓶を買ったお店に返すとお金が戻ってくるという仕組みです.ドイツでは,この制度をプファンド(Pfand)といいます.


このマークがついているものがプファンドの対象です.私はお酒を飲まないので,主に水やジュースのペットボトルでプファンドを払っていますが,缶ビールや瓶ビールなども対象になっています.ペットボトルでも,中には「Ohne Pfand」となっているものがあり,これはプファンドの対象になっていませんので,他のごみと一緒に捨てることになります.炭酸飲料のペットボトルなどでかなりくたびれた感じのものをみるので,プファンドの対象となっているペットボトルは,どうやら洗って再利用(リユース)されているみたいです.ドイツ人は気にしないと思いますが,日本人はこの辺が気になるかもしれませんね.気になる人は,スーパーなどで買うときに新しそうな容器を選ぶといいと思います.




使い終わったペットボトルは,このような機械に通します.ある程度規模の大きなお店には必ずこのような機械があります.通常は,買ったお店にペットボトルを返すのですが,この機械は他の店で買ったものも認識してくれますので便利です.読み取りがうまくいかないときには,角度を変えたり少し奥に入れたりすると成功します.それでもダメなときには,レジに持っていきます.このとき,ペットボトルはつぶさず,ラベルもはがさずにそのままにして返します.この機械は,ラベルのバーコードを読み取るので,つぶしたりラベルをはがしたりするとお金は戻ってきません.この辺は日本と違います.日本のペットボトル回収は別の製品に作り変えるリサイクルですが,ドイツではもう一度使うリユースになっています.




この画面で,いくらお金が返ってくるかが分かります.ビールの缶だと1本で3セントなどということもあるようですが,ペットボトルの場合,15セントか25セントです.今のところ,他の金額は見たことがありません.




全部入れ終わったら,機械の下のほうにある緑のボタンを押すとレシートが出てきますので,これをレジに持っていきます.買うものがない時はお金が戻ってきますし,買うものがあればその金額から相殺してくれます.時々,プファンドのマークが入っているのに,機械がうまく読み取ってくれないことがありますが,このときには,ペットボトルをレジに持っていくと,レジの機械で読み取ってお金を返してくれます.

このプファンドは,外国人にはやや分かりずらいです.スーパーなどでは飲み物の価格の下にプファンドがいくらなのか書いています.つまり,1本1ユーロのジュースでもレジに持っていくと1.15ユーロになったりします.パン屋やケバブ屋,観光地のお店では,価格の表示がプファンド込みになっていることもあります.外国から来た観光客は,プファンドを払っているとは気がつかないかもしれません.観光地では,ゴミ箱からペットボトルや瓶を集めている人がいますが,これはプファンド狙いです.

プファンドで気をつけたいのは,フランクフルト空港です.出発ゲート付近では,パンなどを売っているブースがあるのですが,ここで500mlのペットボトルを買った時に,プファンドを30セント取られたことがありました.30セントのプファンドは見たことがないので,念のため,このペットボトルをずっと持ち歩いてドイツに帰った時に機械に通したのですが,戻ってきたお金は25セントでした.わずかな金額ですが,これはれっきとしたプファンド詐欺です.フランクフルト空港の出発ゲートで飲み物が欲しくなったら,自動販売機にするか,出発までに飲み終わって店に返した方がいいです.ただし,自動販売機は壊れていることがよくありますので,張り紙がしてあるものは絶対に使わないようにしてください.フランクフルト空港は本当に使い勝手が悪いですが,その話はまた後日.

観光や旅行でも,ドイツでペットボトルや瓶の飲料を買うことがあると思います.時間があればスーパーに行って,プファンドを取り返しましょう.日本にはない経験ですし,スーパーの中をみるのも面白いと思います.また,返したボトルも再利用されるようですので,その面でも役立てます.
本日はここまで.