ヴュルツブルク(3) − フランケンワインを買う

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「ヴュルツブルク(2) − 市街中心部」

そろそろ日本に帰国する日が近づいてきたため,何かお土産を買おうと思いました.そこで思いついたのはフランケンワインです.マールブルクからも十分日帰りで行ける場所なので,車でもう一度訪ねることにしました.


マルクト広場(Marktplatz).前回来た時には何もイベントはなかったのですが,今回はお店がたくさん出ていました.定期的に行っている市ではなく,年に一度のお祭りのようでした.ある程度大きさの町では,このようなお祭りがよく開催されます.マールブルクでも毎月のように何かのお祭りがあります.


ワインの店,ビュルガーシュピタール(Bürgerspital).もともとは孤児院だったそうです.ヴュルツブルクには大きなワイン生産者が3つあり,どれも古くからの歴史を持っています.ここを選んだ理由は,入口にある張り紙「日本へ発送します」に魅かれたからです.手荷物で日本に持って帰るのは面倒ですし,自分で発送するのは手間がかかります.送料はかかりますが,やってもらった方がいいと思います.日本人客が多いらしく,定員が日本語の単語を少し知っています(2010年の情報).

ここでは,独特の形状をしたボトルのワインがメインですが,他の種類もあります.モーゼルワインに比べるとお手ごろな価格です.ワインは免税価格になり,それに箱代と送料がかかります.日本への発送は6本単位でしてくれますが,これはワインを入れる発泡スチロールの箱が6本用しかないためです.お店の人が勧めてくれた安い方の航空便の価格は,普通の宅配便と比べても妥当だと思います.船便は,赤道を通る時にワインが酢になるので,絶対に止めた方がいいです.

私が行ったときには,甘口(Süß)のワインはなかったのですが,アウスレーゼ(Auslese)クラスのワインがあったので,それを中心に買い物しました.辛口(Trocken)はボトルのラベルの種類がたくさんあり,これもいくつか手に入れました.発送してくれるということで,30本くらい買いました.ちなみに,関税ですが,日本にワインが届いたときに支払う方式でした.正確な数字ではありませんが,1本当たり150円くらいでした.


前回見逃したお店に行ってみました.Martinzという店で,ここはプファンクーヘン(Pfannkuchen)を出す店です.プファンクーヘンはそのまま訳すとフライパンケーキですが,ドイツ風のクレープです.


ものすごく好意的に言うと,もちもちとした生地に具が乗っていておなかいっぱい食べられる料理です.私が頼んだものにはデザートっぽいものが乗っていますが,サラダが乗っているものなどもあります.ヨーロッパには,家庭でワッフルが食べられる機械が売ってあります.日本だとタコ焼き機みたいな感じです.これで作るとこのお店のプファンクーヘンの生地になります.つまり,プファンクーヘンは家庭料理ということです.日本にはないので試してみる価値はありますが,食事の機会が少ないのであれば,他の物を食べた方がいいと思います.


聖母マリア巡礼教会 (Marienwallfahrtkirche).前回行くことができずに,ちょっと心残りだったので,今回寄ってみました.現地では,Käppeleと呼ばれています.徒歩,バス,車で行くことができます.徒歩だと,旧マイン橋(Alte Mainbrücke)を越えてマリーエンベルク要塞 (Festung Marienberg)を通り過ぎて,次の橋まで行き,そこから350段ほど階段を上ります.バスは90分に1本くらいです.車がお勧めです.

ここは他の観光地とは全く違う雰囲気で,私が行ったときには数人の訪問者以外は誰もいないひっそりとしたところでした.奇跡を起こすといわれているマリア像にも会ってきました.


教会から見たマリーエンベルク要塞とマイン川.川の右側がヴュルツブルクの町です.


フランケンワイン.近所のスーパーにもあったので,辛口から甘口まで並べてみました.ビュルガーシュピタールのワインは真ん中で,右側は甘口のアウスレーゼです.3本を飲み比べてみることにしました.普段全く飲まない人の感想ですので,あまりあてにはならないかもしれませんが,蓋を空けてすぐは,2本のアウスレーゼはそんなに変わらないと思いました.

ところが,少し飲んだところでコルクを戻して冷蔵庫に入れ,2−3日経ってから続きを飲んでみると,違いは出てきました.まず,どれもやや色が濃くなって,琥珀色に変っていました.こちらの方がおいしいと思います.また,スーパーのワインとビュルガーシュピタールのワインはどちらも同じ等級のアウスレーゼですが,全く違いました.ブドウの味が分かるというか,香りも味も違います.これが有名店の実力なのでしょうか.ともかく,フランケンワインは一度に飲み切らずに,冷蔵庫に一度戻すことをお勧めします.2つの味が楽しめます.

本日はここまで.