今日はチェコ南西部の2つのお城のお話です.
レドニッツェ城(Zámek Lednice)とヴァルチツェ城(Zámek Valtice)はリヒテンシュタイン家の城でした.2つの城は互いに近い場所にあります.
車では,プラハから2時間半~3時間半です.距離は250kmくらいですが,渋滞や工事のせいでなかなか進めません.まずは1号線をブルノ方面に南下し,ブルノ(196番のジャンクション,その前の194番のジャンクションと間違えないように!)で2号線(スロバキア方面)に入ります.写真の41番の出口(Státní zámek Lednice)で降りた後は看板に従って進みます.高速道路の番号は順番ではなく距離で振られています.
電車ではプラハ本駅からブジェツラフ(Břeclav)まで電車で3時間ほど,RJのスメタナ号(2018年ではプラハ6:51発RJ73),シューベルト号(8:51発RJ75)などのウイーン行きやグラーツ行の電車が止まります(ヨハンシュトラウス号など止まらない電車もあるので事前に調べてください).2等車で389コルナ.ECのブダペスト行きメトロポリタン号(プラハ7:51発EC275,10:51発EC277)なども止まるようです.ブジェツラフからはバスがありますが,平日でも1時間に1本,土日は本数が少ないそうです.
プラハ本駅からブジェツラフまでの長距離バスもあります.時間は3時間ほど.料金はバスによっては電車よりも安いみたいです.レドニッツェに直接行くバスはないので,プラハやブルノからツアーに参加することを検討してもいいかもしれません.
レドニッツェ城のすぐ正面に駐車場があります.かなり広い駐車場です.ここでは,券売機に料金を入れて紙を受け取り,フロントガラスの内側に提示するパターンです.ヨーロッパでは一般的です.ツアー1つとちょっと見回るくらいであれば2時間で大丈夫だと思います.フランス様式やイギリス様式の庭を見たり温室を見たり,とあちこち回るのであれば4時間くらい払っておいた方が無難です.個人的には後払い方式の方が好きです.
駐車場の出口付近の券売機はユーロのコインも受け付けています.また,観光シーズンは券売機横の小部屋に人がいてユーロとコルナを交換してくれます.次のヴァルチツェ城の駐車場ではユーロが使えないのでここでコルナのコインを手に入れておく必要があります.
城は階ごとに4つのパートに分かれていてチケットも別々のチェコ方式です.ここではメインの城はツアーでしか見ることができません.全てを見るには相当時間がかかります.どれか1つだけということであれば,1番のツアー(reprisentative rooms)がおススメです.料金はチェコ語のツアーで180コルナ.英語だと320コルナになります.チェコ語のツアーでも英語のリーフレットを貸し出してくれますので安い方でいいのではないかと思います.また,土産物屋では英語の写真付き冊子を売っていますので,先に買ってから入るのもおススメです.
内部の写真撮影は可能です.この部屋はターコイズの間.天井の木はカナダのウォールナットを使っているそうです.リヒテンシュタイン家は普段はヴァルチツェ城に住んでいて,夏の間にレドニッツェ城に住んでいたそうです.この地にはもともと要塞があったそうですが,1244年と1249年にリヒテンシュタイン家の土地となってから,1945年まで同家が所有していたそうです.
17世紀のシャルル1世(Charls Eusebius of Liechtenstein)の時代にフランス様式の庭が整備され,その後も代々の当主が城の整備を続けてきました.
温室と城.ツアーはこの城の1階から4階までを見て回ります(階ごとに別々のツアー,ツアー1は1階部分のみ).温室は1843年-1845年にかけて作られました.温室の見学は別料金です.
次はヴァルチツェ城です.レドニッツェ城からは車で10分かかりません.道路を走っているとヴァルチツェ城が見えてきます.大きな駐車場があるのかもしれませんが,路上の駐車スペースに止めました.ここではユーロのコインは使えないため,コルナのコインが必要です.
黄色の建物の門をくぐると,右手にメインの建物が見えてきます.レドニッツェ城と異なり,敷地は狭めです.坂を上って右手にチケット売り場があります.
ここもチェコ方式で,いくつかのツアーが用意されています.メインツアー(写真ではMain Catsle Tour,リーフレットではThe basic guided tour)がおススメです.2017年の価格ではチェコ語で160コルナ,英語は320コルナですが,チェコ語のツアーでは英語のリーフレットを貸し出してくれます.
貸出用のリーフレットです.レドニッツェ城でもそうですが,内容がかなり充実しています.売店で売っている冊子よりもはるかに詳しいので,これを読むのが一番です.スリッパに履き替えたら出発です.
55分のツアーですが,多くの部屋やチャペルを見ることができます.ヴァルチツェが歴史上の記録に登場するのは1193年のことで,1395年から1945年までリヒテンシュタイン家が城を所有していました.
絵画の間.家具,床,天井など見どころはたくさんですが,絵も多く飾られています.上から下まで見るところだらけです.
ヴァルチツェからウイーン方面に行くには,A5に向かいますが,まずは41412号線を使います.特に看板はありません.一番簡単なのはヴァルチツェ城からいったん広い道に戻って左折し,50mくらいの一つ目の道を左折することです.その後,道なりに郊外に出ていきます.オーストリア国境はすぐそこ,ウイーンまでは約80kmです.
郊外の畑に出ると,注意すべきところがあります.ブドウ畑沿いの道を登ると博物館(Muzeum železné opony)が左にありますが,思わず道なりに右側に入ってしまいます.白い看板に赤字のMuseumが見えたら要注意.左折します.道なりに坂を下ると間違いで,そこからA5に入るのは大変です.戻りましょう.ここは,チェコとオーストリアの国境で,国境のバーが残されています.この先は,ちょっとわかりずらいですが,看板に沿っていけばA5に辿りつけます.ガソリンスタンドでオーストリアのビグネットを手に入れておく必要があります.
レドニッツェ城もヴァルチツェ城も美しい城で観光客も少なめです.日本語ではあまり情報源がなく,幻想的な素晴らしい城ということになっていますが,ちょっと褒めすぎだと思います.バウスカのルンダーレ宮殿(ラトビア)やアペルドールンのヘット・ロー宮殿(オランダ)と同じくらいでしょうか.
ラトビア(5) − バウスカ郊外のルンダーレ宮殿 - 欧州徒然草
オランダ(5) − アペルドールンのヘット・ロー宮殿 - 欧州徒然草
ということはかなりいい場所ともいえます.個人的には観光客が少なめなのがいいと思いますが,ややアクセスが悪いでしょうか.日帰り観光で行くのならば,朝早く出た方がいいと思います.
(注)ルンダーレ宮殿の記事は2009年時点です.2015年時点ではかなり料金が値上がりしていて,チケットはチェコのようにツアー別になっていました.ヘット・ロー宮殿も2009年時点の情報です.現在は宮殿は閉鎖中で,2018年9月末まで入れません.
本日はここまで.